帝が主語
| 「あまた」の主語を桐壺更衣とする説があるが、後文の「まうのぼりたまふにも」と重複するし、「させたまふ」という二重敬語が更衣につくことはない。ゆえに、主語は帝とするのが自然である。 当時において、帝が后妃の御殿に渡御されることもあった。一条天皇が中宮定子の住む登華殿に渡御されたことが『枕草子』「淑景舎東宮にまゐりたまふほど」のことなどの条に見え、また、同天皇が彰子女御の入内に際し、飛香舎に渡殿されたことが『権記』(藤原行成の日記)や『栄花物語』に見える。『源氏物語』でも絵合の巻に冷泉院が弘徽殿や桐壺に渡御されて絵を楽しまれる場合がある。 |