源氏物語の敬語

「おほん時、おもほして、えはばからせたまはず、御もてなしなり、人の御おぼえ、御心ばえ」と帝に敬語が使われている。特に、「せたまはず」と二重敬語がつくのは帝だけである。
「さぶらひたまひける」は女御と更衣が主語となっているためであり、更衣だけだと「ましてやすからず」と言い切り、区別をしてる。
桐壺更衣は「すぐれてときめき給ふ」と「まじらひたまふ」の二つしか敬語が使われていない。更衣の中では丁寧なほうであるが、女御とはっきり区別をされていることから、上下から敵視されている孤独の感じがより一層出てくる。
帝一人が強く愛し、支持をしてくれるが「人のそしりをもえはばからせたまはず」と二重敬語が重々しく使われ、帝の支持もマイナスとなる。かえって皆の嫉みも増し、後宮の外にまでその噂が広がる。高官は国政に影響が出ないかどうか、心配するのである。
同僚に言われるだけで、病気になる人なのに、ここまで言われ、結局頼むところはただ一つ、帝の愛情しかないのである。そのためにまたねたまれるという悪循環になる。