母子家庭

父のいない所、母一人でとりしきってきたのであり、不可能事であるはずなのだが、それをやってのけたのである。何かの儀式の時に、女御、更衣が参列することとなれば、その儀式、季節、身分、年齢にふさわしい衣裳を本人のために、ととのえなければならないのである。これは、金と権力があれば常日頃からできることであるのだが、なき大納言の北の方には、これらはみな不可能事である。
「旧家の出の趣味人で」あるゆえに、教養と故実で、金と権力に対抗したと思われるが、やはり男の働き出があればという嘆きがあるのである。